真鍮エイジング
5円玉硬貨に使われる金属「真鍮」は、銅(60%)と亜鉛(40%)から成る合金です。
別名を“黄銅”というその名の通り、やわらかな黄金色が特徴。金にも似た美しい光沢感から、ピアスやリングなどのアクセサリー類にも多用されています。
・アクセサリー、小物類
・店舗什器
・建具
・アウトドア製品
・金管楽器
・仏具 など
真鍮の魅力は“エイジング”にあり
真鍮製品は革製品と同様に、使用環境や年月によって、ゆっくりと表面の色が変化します。
真鍮は空気や人の手に触れると、徐々に深みを帯びた色合いになります。黄金色から飴色、ダークブラウン、墨黒へと、長い時間をかけて表情を変えてゆくのです。
そのプロダクトを愛用した年月が独特な風合いとして表れるのも、真鍮製品の大きな魅力のひとつと言えるでしょう。
富士産業の真鍮加工技術
(エイジング加工、溶接、コーティング仕上げ)
▶真鍮のエイジング加工
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生地
0年物
エイジング加工を施す前の一般的な真鍮板。
表面は加工硬化しているため自然経年は時間が掛かります。
「10年物風ロイヤル」になるまでに数年、手垢等が目立つ時期があります。 -
ロイヤル
生地から10年経過
クラシカルデザインからモダンデザインにも合う万能なエイジング。
生地では光沢がうるさいと感じる方、ヴィンテージよりもライトに仕上げたい方にオススメです。 -
ヴィンテージ
生地から30年経過
“ユーズド”“レトロ”“オールド”の言葉に心が躍る方、品物に重厚感を出したい方には「ヴィンテージ」を推奨します。
10cm角の平板でも伝わる味わいは、エイジングがリアルな証です。 -
アンティーク
生地から100年経過
100年間の日常使いで出るアタリ(色落ち)を再現しました。
凹凸のある製作物では手で触れる凸は明るく、凹は暗くなります。
本物のアンティークを知る愛好家たちからも高く評価されています。 -
墨黒
生地から150年経過
真鍮は経年変化が最大限になると黒くなります。
墨黒は塗装の様な厚みが出ませんので、エッジなどがシャープに出ます。
また触れる所は生地が露出するため、デニムの様なアタリをお楽しみいただけます。
「硫化燻し技法」を用いた当社のエイジング加工は、塗装にはないリアルな仕上がりが特徴。もちろん加工を施した真鍮も経年変化するため、“育てる楽しみ”も損なわれません。
▶真鍮の表面加工
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生地(0年物) 加工を施す前の一般的な真鍮板。
表面は加工硬化していますので、自然経年は時間が掛かります。 -
ヘアーライン(サテーナ) 一定方向に連続的な筋をつけた研磨方法です。
当社では一般的なヘアーラインよりも高級感のあるサテーナ仕上げになります。
高級感のある仕上がりの為、クリアー塗装をオススメします。 -
バイブレーション(スクラッチ) ランダムに渦状の模様が付いた研磨方法です。
当社では一般的なバイブレーションよりも、さらにきめ細かいマットで優しいスクラッチ仕上げを提供。
生地より早く経年変化するのが特徴です。
▶真鍮の溶接
しかし当社は長年の研究により、真鍮の溶接技術を習得。鉄やステンレスの溶接と変わらぬ、なめらかな表面に仕上げます。
▶真鍮のコーティング仕上げ
・真鍮製品をゆっくりとエイジングさせたい方
蜜蝋コーティングがおすすめです。真鍮製品がお手元に届いてから、ゆっくりと時間をかけて経年変化します。ナチュラルな仕上がりが特徴です。
・新品の風合いをキープしたい方
逆に真鍮製品をエイジングさせたくない場合は、クリア塗装コーティングを推奨しています。「室内or屋外」「よく触れるか否か」などの使用環境にもよりますが、新品のような輝きを長期間保つことができます。
【活用事例】時を経て磨かれる真鍮
▶ ① 新店舗の什器や看板、手すり
長期間外気にさらされる「外看板」は、ゆっくりとエイジングが進んでゆきます。開店から10年後、20年後、はたまたお子さんやお孫さんへと代替わりする頃には、きっと今とは違う表情を見せていることでしょう。
▶ ② アクセサリー、小物類
真鍮のエイジングは、触れる頻度や使用環境によって度合いが異なります。使い込むほどに独特の味わいが増してゆくのは、まるで革製品のよう。アクセサリーや小物類を長年愛用し、持ち主だけの表情を楽しめるのも、真鍮ならではといえるかもしれません。
▶ ③ その他 デザインプロダクト
当社は「100年後に完成する真鍮アート作品」や「家族代々受け継ぎたい一点モノの真鍮○○」といった依頼も大歓迎です。
富士産業は、真鍮でものづくりをしたいあなたからのご相談を心待ちにしています。